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・CADを使った靴型デザイン(その6)【靴型CADの運用モデル】
・CADを使った靴型デザイン(その7)【靴型のパラメトリックデザイン】
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2016年12月12日

CADを使った靴型デザイン(その6)

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靴型CADの運用モデル

靴型モデルの設計をCADによっておこなうと、モデルの統一化(標準化)、精度の向上、製作時間(工数)の短縮等のメリットが漠然とかんがえられます。
しかし、実際にどれほどのメリットが得られるかはCADで何が出来るのかに、掛かってきます。

靴型の製作者は要求に応じて、現実には何から出発して何をゴールにするかは、いろいろなケースがあります。
具体的にどのようなケースがあるか挙げてみます。


1.他社の製品から同じつま先形状の靴型を作る。
 新しいつま先の形を作ることは、靴のデザインの中でも、最も創造的な仕事の一つですが、商品企画担当者(デザイナー)は靴型を削れないので、市場に出ている靴の中から、気に入った形のものを選んでコピーしてもらうケースが割と多い。
 コピーして更にヒールの高さを変えたいというケースも多い。

2.実績のある靴型のつま先の形を変えたい。ヒール高さを変えたい。
 ファッション性を求める既製品用の靴型は、トウ(爪先)のスタイルとヒール高さに関する要求がほとんど。


一方、コンフォート靴よりの業界では、、、

3.足幅(ボールガース=足囲)をE,EEなどの規格に合わせた靴型にしたい。
 靴型切削機の拡大縮小(グレーディング)機能を使って全体的に横幅を拡大することが多いが、外反母趾対応を想定して踵幅は変えずに、ボールジョイント部分のみ太くする場合もある。
 規格はあくまでも対象となる人の足の足囲であって、靴型のボールガースについては、何ら規定がなく、製作者が決めるべきことなので知っておく必要がある。

4.足入れ調整のための足底盤(中敷き、インソール)を入れるスペースをプラスしてある靴型。
 個人の足に合わせた凹凸の足底盤を製作し、靴とセットで提供する付加価値を高めるビジネスモデルは医療関係、非医療関係の双方で進められている。
 ただし、靴の足との適合は足底盤の調整ですべて解決できるものではなく限界がある。器である靴の形状に負うところも多い。

5.足の計測データを基にオーダー靴型を製作する。
 靴型からのオーダー靴は、付加価値は高いがクライアントの期待度は高いので、生半可な経験知識で提供すれば、不満足な結果となり信用を失うので要注意。
 このミッションをこなせる、謙虚さと技量を持つ人材は今日稀な存在ではないだろうか?


今後CADによって、数値設計や再現性など、可能性が広がることにより、これから新たに生まれるであろう要求も次のようなことが考えられます。

6.自社ブランドの靴型基準を統一したい。
 ブランド構成する靴の足入れを良いとされるものに揃えて、イメージアップを図り、また試履き時に足に合わないとの理由での売り逃しを減らしたい。
 靴型である程度は可能だが、同じ靴型を使ってもメーカーのパターン(紙型)や製造方法の違いで同じ足入れにはならないので注意。

7.靴型だけでなく各パーツも含め統合的に設計し機能性に特徴を持たせたい。
 中敷の下にいれるパットは、シューフィッターなどがクライアントごとに足に合わせて調整するが、既製靴では別の靴型を使用し、それそれの違いを把握できないまま、同じものを入れている。
 靴型、中底、ヒール、中敷など統合的に設計し、機能性にばらつきの無い様にしないとクライアントの評価は半減する。

8.継続的に目的に即した、足入れの良い靴型を制作できるよう技術資料を蓄積したい。
 普通メーカーでは重要なノウハウであり、これらは公開しない。
 あまり気にしないメーカーは靴型屋任せだが、靴型屋はノウハウをすべて盛り込むようなモデルつくりはしなくなった。
 サンプルのみで量産靴型は海外で安価にコピーさせるメーカー(問屋?)があるため、指摘された部分のみ直すような手順ですませていて、ノウハウの海外流失を警戒するマインドが感じられる。
 自社の実績のある靴型は、CADを使って解析し地道に資料をまとめることは可能だが、形の無いものには対価を払わない風潮のある我業界においてどこまで本腰を入れられるであろうか?

これらの要求にたいして、実際に行う手順は異なり、入り口と出口も異なるので、作業ごとにいくつかのモジュールに分ける必要があります。


posted by 株式会社 パイン at 00:11| Comment(0) | CAD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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