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CAD関係
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・CADを使った靴型デザイン(その2)【振り角とヒールカーブ角度】
・CADを使った靴型デザイン(その3)【ヒールのパラメトリックデザイン】
・CADを使った靴型デザイン(その4)【再現性と可逆性】
・CADを使った靴型デザイン(その5)【ルール化とリバースエンジニアリング】
・CADを使った靴型デザイン(その6)【靴型CADの運用モデル】
・CADを使った靴型デザイン(その7)【靴型のパラメトリックデザイン】
・CADを使った靴型デザイン(その8)【3DCADと3Dプリンタの活用】
・CADを使った靴型デザイン(その9)【3Dデザインのその先】
・3DCADによる設計について過去展示物
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2015年12月23日

CADを使った靴型デザイン(その1)

3DCAD_01.jpg

従来の方法との違い

なぜCADで靴型をデザインするのかを考える事から、始めます。
「先進的だから」、「かっこいいから」、「仕事として面白そうだから」、では弱すぎます。
実際に靴型を何年間も、手で削ってきたことから、感じる有益性があるからです。

靴型は履き心地とかデザイン性とか生産性を実現するために形状をデザインする必要があります。
これを手で削っているときでも、積み上げたノウハウを再現するため合わせ定規(ゲージ)を使います。
靴型屋さんは、他人には見せませんが、各々のノウハウをゲージ化してそれを使ってモデル製作しています。
しかし、ゲージは、一部の断面形状を合わせる平面的なもので、これに合わせて精度の高い立体モデルを削り出すことは大変な労力と時間を要します。
3DCADを使うと、この大変な仕事を、高い精度で短時間に片付ける事のできる可能性があります。
再現性も高くなります。つまり偶然でなくいつも同じレベルの作品が製作できるようになります。
最近は慣れてきたので、ゲージあわせは短時間で出来、トータル時間でも早くなり、作業者の負担はだいぶ軽減していると感じています。

ただし、曲面の仕上げなどは、CADでモニターを見ながら行うより、手で触れながら削る方が、直感的でやり易い面もあります。
実際に行ってみて、、CADであっても、モデルの出来栄えは、手作業で熟練している者のほうが、経験の浅い者よりも上回ることが分かりました。

つまりモデル製作の上手下手はCADでも同じなのです。
これは、CADを使っても、モニターに向かって対話式にモデルを編集する部分があるからです。

この対話式のモデル編集の部分を減らし、プログラムによって形状を計算する部分を増やすことが、
このギャップを少なくし、更に生産性を高めることを可能にします。

「靴型のパラメトリック・デザイン」と言う私の目標とは この事なのです。


パラメトリック・デザイン(数値による設計)

手作業では空間座標という概念は使われません。
巻尺とゲージを使って、長さや曲線を部分的に合わせているからですが、CADではそうはいきません。
CADでは、先ずA点(底面のつま先先端)とB点(底面の踵後端)の三次元空間座標を算出する事から始めなければなりません。

両点ともセンター上におきます。靴型のセンターはどこに決めても構いませんが、普通は直感的にも扱い易い、つま先の中心に見える点とヒールカーブを通る平面上に置きます。センター平面は地面(XY平面)に垂直に置きます。
私の方法では、原点はボールジョイント踏みつけ中心をセンターラインに下した底面上の点に合わせています。
つまりセンターはワールド座標のXZ平面、地面はXY平面となります。

IMGscreen1.jpg
私は婦人靴メーカーなので、婦人用靴型のみを論じますが、靴型の大きさと曲面の変化率から考えると、底面で200箇所、甲部分で400箇所くらいの点座標を指定できれば、意図するところの靴型形状が正確にデザイン出来そうです。

これだけの点が算出できればあとはCADの補間アルゴリズムによって、曲線、曲面と生成され靴型の形状は実現できます。
その内どこまで数値化できるかが、これからの仕事です。
まだ20〜30%くらいかな・・・。
posted by 株式会社 パイン at 00:00| Comment(0) | CAD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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