曖昧にできないパラメータ
靴型は手で作られた多数の既存モデルから、CAD上の図形データに引き直すことでとりあえずの数値化はできます。
曲面上の代表点を決め、その相対位置関係をパラメータとすることができます。
CADでは代表点が空間座標上で正確にあらわされるので、パラメータは厳密に数値としてあらわされます。
いくつかのパラメータは相関性がありますが、CADによって新しいモデルを作成するするには、ルールを明確にする必要があります。
曖昧のまま、進めると立体形状を構築してゆく過程でどこかで辻褄が合わないところができ、形状がまとまらなくなる恐れがあります。
また、決めておかないと作図が進められないという面もあります。
CAD上に限ったことでなく、一般的な靴型設計上の問題ですが、靴ではヒールの高さが1cm〜10数cmまで広範囲なので、ヒールアップしたとき足の形状変化に伴い靴型をどのように変形させるべきかは、婦人用靴型の設計では大きなテーマです。
そのなかでも、振り角とヒールカーブ角度の2つのテーマをここで考察したいと思います。
計測の難しい足のヒールアップ形状